■森と木と建具
日本の山に沢山残る戦後植林された杉を活用し、森を活性化したいという思いと、この杉を使えるようにした熱化学還元処理を広めたいという願いで
新潟杉を使った銘々皿 ー孝一ノ銘々皿ー を作りました。
6月10日から開催されるインテリアライフスタイル展に出展します。

【孝一ノ銘々皿 開発ストーリー】
1,日本林業の推移
■昭和20年〜
戦後復興の為、木材需要が急増。
政府は拡大造林政策を行う。広葉樹からなる天然林を伐採し、跡地に針葉樹を植林した。
■昭和30年〜
昭和39年木材輸入の全面自由化。国産材の価格が高騰する一方で外国産木材は安く大量ロットで安定的に供給された。円高や住宅様式の変化などの影響で昭和55年をピークに国産材価格は低迷に向かい日本の林業経営は苦しくなっていった。
■平成8年〜
拡大造林政策が終了。莫大な人工林が残った。平成14年頃を底に、機械化、技術開発、大型製材所工場の整備等により国産材の増加傾向がみられるようになった。
■平成21年〜現在まで
森林・林業再生プランで皆伐促進、林業の効率化を図ったが、皆伐された跡地では3割ほどしか再造林されていない。再造林が進まないのは、立木価格の低下が理由。コストを下げれば立木価格が上昇すると考え、政府は伐採業者に高性能機械を補助したが、機械導入により丸太生産が増加し供給過剰となり、丸太の価格が低下してしまった。
令和3年ウッドショックにより国産材の製品価格は値上がりしたが、丸太、立木価格には反映されていない。
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かつて木材の自給率は9割以上であったが、今では2〜3割まで落ち込んでいる。日本は国土の3分の2を森林が占める世界有数の森林大国でありながら、外国からの輸入に頼っている。森林面積のうち4割が戦後植林された人工林である。立派に育った沢山の木を適正価格で購入し使うことで、新たな植林や木の手入れが可能になり森の活性化、環境改善につながる。
2,新潟杉建具の失敗、出会い
弊社では、約30年前、和室減少などにともない地元の仕事が減り、安く手に入る若い新潟の杉を使った建具を作り、関東圏へ活路を見出した。
しかし、雪の降る湿度が高い新潟の工場で作った建具はカラカラに乾燥した東京へ持っていくと縮んでしまい、木の癖で、反りや狂いも出て失敗に終わった。
解決策を探し、滋賀の野村隆哉研究所の熱化学還元処理と出会った。端材を燃やしその熱と煙で木を形状安定化させる画期的な方法で、東京へもキチンと納めることができた。
熱化学還元処理は、ろくろの職人さんが煙で木材を燻し、割れを防いだ伝統的方法を野村氏が科学的に立証し、何度も実験を重ね精度を上げていったものである。
下記写真左が処理炉、右が処理をした杉。処理をしても丸太の木口に割れがないことに驚かれると思う。
■7月5日(日)現地にて見学会が開催される。
6寸角の割れの無い柱、分厚い一枚板のテーブル
杉以外の広葉樹各種、欅や桐など、乾燥が難しい
木も沢山ある。断熱性や音の響きも体感できる。
ー熱化学還元処理見学会ー
7月5日(日)13時〜17時
場所:野村隆哉研究所 滋賀県湖南市三雲1696
(参加希望の方は高橋建具製作所info@kimajime.co.jp までご連絡ください)

3,新潟百年物語で誕生、これから
戦後植林された人工林の44%を杉が占める。
杉は収縮や反りがでやすく使いづらいところがあるが
その杉を使うことこそが、森の活性化につながると野村氏は杉を中心に研究を行い、ついに安心して使えるようになった。しかし、この技術は殆ど広まっていない。良さを伝えたいと資料を作ってみたがなかなか理解してもらえなかった。
新潟県に相談したところ「百年物語」というプロジェクトを紹介してもらった。そこで色々検討している中で、通常は木目のつんだ柾目で作る銘々皿を、目の粗い若い新潟杉で作ることになった。3ミリという薄さと、繊細な面取りが実現すれば、熱化学還元処理材の安定性と加工性の良さが伝わると考えたからだ。
「孝一ノ銘々皿」は出来たばかりで粗削りです。
改善していきますので、ご意見いただければ幸いです。
また、銘々皿以外にもこの材を使い、建具など一緒にものづくりをしていただけると有難いです。
そして、この処理をした材は薄くすることはもちろん、塊のような厚いものもできるので、
大工さん、家具屋さん、彫刻家さん、、、皆さんに一度試しに使ってみて欲しいと思っています。
お気軽にお問い合わせください。
リンク 新潟木材組合連合会
https://www.youtube.com/watch?v=yYfwCivN8rw